障害年金の納付要件
日本の公的年金制度は年金保険料を納めた人が納めた額、または期間に応じて年金が受給できる社会保険方式を採用しています。保険料を負担した実績が年金受給権を生み出し、年金額に反映するのがこの方式です。将来年金を受け取って経済的に自立するためには自助努力が必要で、負担と給付の関係が明確だというのがその特徴です。生命保険や火災保険のような保険が、保険料を払っていなければもらえないのと同じですね。
障害年金も、公的年金の一つですから一定の期間、年金保険料を納めていなければ受給できません。
それでは受給できるようになるためには、どれだけの期間、年金保険料を納めていなければいけないのか。その条件が障害年金の納付要件です。
障害年金の納付要件には下記の二つの要件があり、このうちのどちらかを満たせば納付要件をクリアーすることになります。
@ 初診日の前日において、当該の属する月の前々月までに被保険者期間があり、かつ当該被保険者期間のうちに、保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が3分の2以上あること。(2/3要件)
A 初診日の前日において、当該初診日の属する月の前々月までの1年間に滞納がないこと、かつ、6 5歳未満であること。(直近1年要件)
なお、要件をチェックする日が初診日の前日としてあるのは、けがをしたり病気になったりして医師に診てもらったあと、慌てて年金保険料を納めて要件を満たすといった後出しジャンケンを防ぐためのものです。
また、初診日の属する月の前々月までの被保険者期間を見るというのは、前月までとすると保険料を支払うタイミングによっては納めたにもかかわらず前月が未納になってしまう可能性があるためです
国民年金保険料納付が義務となっているのが20歳から60歳までとなっているため、20歳に到達した日の前までに初診日がある場合は20歳前障害と言って納付要件は問われず、60歳以降も60歳になる直前の期間で納付要件を満たしていれば要件を満たしたことになります。
ただ、厚生年金保険には20歳前から70歳まで加入ができるため、初診日が20歳前であろうと60歳以降であろうとそれが厚生年金に加入している期間であれば納付要件は適用されます。
これらの要件は初診日が平成7年4月1日以降の障害認定日請求・事後重症請求に適用される要件ですので、それより前に初診日があるケースについてはこちらを見てください。