障害認定日
障害認定日は、障害の程度の認定を行う日のことです。具体的には、障害の原因となった病気やけがで初めて医師等にかかった日(初診日)から起算して1年6月を経過した日(初診日が令和元年1月10日の場合、初診日から起算して1年6月経過した日は令和2年7月10 日となる。)か、その期間内に治った場合は治った日(症状が固定した日)のことをいいます。
また、20歳前に初診日がある場合は、初診日から起算して1年6月経過した日が20歳前にある場合は20歳に到達した日、20歳後にある場合は1年6月経過した日のことをいいます。
●初診日から起算して1年6月を経過する前に障害認定日として取り扱う事例
障害認定基準等で初診日から起算して1年6月を経過する前に障害認定日(傷病が治った状態) として取り扱う事例は次のとおりです。下記以外でも障害認定基準に記鰔されている「傷病が治った場合」に該当すれば、初診日から起算して1年6月を経過する前に障害認定日として認定することは可能です。
診断書 |
傷病が治った状態 |
障害認定日 |
障害等級の目安 |
聴覚等 |
喉頭全摘出(※1) |
喉頭全摘出日 |
2級 |
肢体 |
人工骨頭、人工関節を挿入置換 |
挿入置換日 |
上肢3大関節又は下肢3大関節に人工関節を挿入置換した場合、原則3級( ※ 2 ) |
切断又は離断による肢体の障害 |
切断又は離断日(障当手当金は創面治癒日) |
1肢の切断で2級、2肢の切断で1級ー下肢のショパール関節以上で欠くと2 級、リスフラン関節以上で欠くと3級 |
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脳血管障による機能障害 |
初診日から6月経過した日以後( ※3 ) |
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呼吸 |
在宅酸素療法 |
開始日(常時使用の場合) |
3級(常時(24時間)使用の場合) |
循環器 (心臓)
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人工弁、心臓ペースメーカー、植え込み型除細動器(ICD) |
装着日(※4) |
3級 |
心臓移植、人工心臓、補助人工心臓 |
移植日又は装着日 |
1級(術後の経過で等級の見直しがある) |
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装着日 |
重症心不全の場合は2級(術後の経過で等級の見直しがある) |
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胸部大動脈解離や胸部大動脈瘤により人工血管(ステントグラフトも含)を挿入置換 (※5) |
挿入置換日 |
3級(一般状態区分が「イ」か「ウ」の場合) |
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腎臓 |
人工透析療法 |
透析開始日から起算して 3月を経過した日(※6) |
2級 |
その他 |
人工肛門、尿路変更術、新膀胱造設 |
人工肛門、尿路変更術→造設日又は手術日から起算して6月を経過した日 新膀胱造設→造設日 (※7) |
左記のいずれか一つで3級(※8) |
遷延性植物状態 |
状態に至った日から起算して3月を経過した日(※9) |
1級 |
※2 人工関節又は人工骨頭を挿入置換した場合は、診断書の内容によっては、障害等級の目安より上位等級となることがあります。)
※3 脳血管障言により機能障害を残しているときは、初診日から起算して6月経過した日以降に医学的観点から、それ以上の機能回復がほとんど望めないと認められるときに認定されるので、請求すれば必す認められるものではありません。
また、初診日から起算して6月目に必ず症状が固定するとみなされるわけではなく、初診日から起算して6月を経過するまでは、症状が固定しているとは認められないということです。なお、症状が固定していないと認定されて不支給となった場合も、初診日から起算して1年6月を経過する前に症状が固定した場合は、改めてその症状固定した日を障害認定日として障害認定日請求を行うことが可能です。
※4 初診日から起算して1年6月を経過する前に人工臓器等を装着した人にとっては、人工臓器等を装着した日が障害認定日となります。障害認定日で2級以上の受給権が発生せず、その後障害の程度が増 進し、障害基礎年金の請求を行う場合は、請求日が初診日から1年 6月を経過する前であっても、事後重症による請求となります。(人工弁は2級以上に認定する場合、認定基準上、装置から6月以上経 過していることが必要となります。)
※5 太い血管に挿入置換した場合のみ。また、挿入置換部位が腹部だけだと特例が適用されません。(胸部+腹部ならば可)
※6 「透析実施の評価のみ」でよければ、直近1枚の診断書だけでも認定日請求が可能。
※7 過去に増設したことがある人についても今回増設した日から起算して6月を経過した日が障害認定日になります。
※8 人工肛門を造設した場合、次のいずれかに該当する場合は2級とし、障害認定日は次のようになります。
@ 人工肛門を増設し、かつ、新膀胱を増設した場合。障害認定日は人工肛門を増設した日から起算して6月を経過した日又は新膀胱を増設した日のいずれか遅い日。(初診日から起算して1年6月以内の日に限る)
A 人工肛門を増設し、かつ、尿路変更を施した場合。障害認定日は人工肛門を増設した日又は尿路変更術を行った日のいずれか遅い日から起算して6月経過した日。(初診日から起算して1年6月以内の日に限る)
B 人工肛門を増設し、かつ、完全排尿障害状態にある場合。障害認定日は人工肛門を増設した日又は完全排尿障害状態に至った日のいずれか遅い日から起算して6月経過した日。(初診日から起算して1年6月以内の日に限る)
※9 遷延性植物状態は、次の@〜Eに該当し、かつ、3月以上継続しほぼ固定している状態において診断されることになりますが、障害認定日を判断する際の起算日は、診断基準の6項目に該当した日になります。遷延性植物状態の診断が確定してから、3月を経過した日ではありません。
また、診断書にはいつから6項目に該当したのが明記してもらう必要があります。
@ 自力で移動できない
A 自力で食物を摂取できない
B 糞尿失禁をみる
C 目で物を追うが認識できない
D 簡単な命令には応ずることもあるが、それ以上の意思の疎通ができない
E 声は出せるが意味のある発語ではない